恋のち、飴玉



ばたん。
後ろ手に扉を閉めると、次に眼前に広がったのは夜の道だった。

ここは比較的表の路にあるから、人通りはこの時間帯でも多いし、街灯もぽつぽつと明るく輝いている。



「…今日も、いるよね」


呟いた言葉は、目の前を過ぎていく車の音にかき消された。


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