キミの背中。~届け、ラスト一球~
あたしは部活が終わった後、新キャプテンのあいさつがきちんと出来たのか気になって、草太の帰りを駐輪場で待っていた。
深いオレンジ色に染まる駐輪場で、コンクリートの上に転がっていた小さな石ころを足で弄ぶ。
時々風になびくスカートが、ジャリジャリ鳴く砂の音に合わせて踊っているように感じた。
「なに?おまえ待ってたの?」
石ころを弄ぶのに飽きてきた頃、ようやく草太が黒のエナメルバックを肩から提げてやってきた。
部活を終えた生徒がチラホラと駐輪場に来て、あたしは邪魔にならないように草太の自転車の側に寄る。
「うん。どうせ部活終わる時間同じくらいだし、一緒に帰ろうと思って」
試合まではお互い帰る時間がバラバラだったから、一緒に帰るのは久しぶりだし。
あたしが言うと、草太は軽く肩をすくめて自転車を出し、エナメルバックを無理矢理前のカゴに押し込んだ。
ふたり肩を並べて校門を出て、下校する生徒に混じって歩く。
カラカラとかわく車輪の音が、住宅街の壁に反射して何重にも重なって聞こえる。