くすんだ空を見上げれば

それにしても…
神谷も補習やってたのかな?
今度会えたら聞いてみよう。



三時から六時までの補習が一週間も続く。もう最悪だ…。





今日は数学と理科をやった。



五時を過ぎてから答え合わせをやり、それを提出して帰る。

私は補習を受ける程バカじゃない。
だけど授業日数が足りない。
なんとも不便な世の中だ。




「楓スゴーイ!私赤点だし…」
沙恵は勉強が苦手らしい。


教科書を見ても赤点って…。



「一週間の補習終わったらテストまで勉強教えてもらえないかな?」

帰ってる最中に沙恵は申し訳なさそうに聞いてきた。

「うん、良いよ」
人に教えた事なんてないけど、断る理由もない。





家に着いたのは七時を過ぎていた。





「今日神谷と会った?」
紅葉が部屋にきた。


「ううん、会ってないよ。どうして?」

「いや、連絡取れなくて。まぁいいや」


そのまま出掛けてしまった。


連絡取れないって
大丈夫なのかな…。








遅く帰って来ても母は何も言ってこなかった。
本当に嫌いだこんな親。



紅葉が居ない夕飯はとても嫌だ。
それにしても、神谷と知り合ってから会わない日なんてあまりなかったから
今日はどうしてたんだろう。


でも私から連絡する用事もないし…。


お風呂で勉強の疲れを癒しながらも神谷の事を考えていた。



夜中まで一緒に居たのに…神谷に会いたい…



当分サボる事はないだろうからずっと神谷に会えないじゃん…。



夏休みも会えないかもしれない。


そう思うと胸がギュッと苦しくなった。



変な私。



今までそんな事考えたり
思ったりしなかったのに。


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