くすんだ空を見上げれば
いつもより多く勉強をしたせいか布団に入って直ぐに眠りについた。





朝起きてからも頭が痛く、今日も補習って思うと学校に行きたくない。




神谷とも会えず
今の楽しみなんてない。






「あ、おはよー」

歩いていると後ろから声が聞こえた。


「沙恵、おはよう」

まぁ、友達が出来たから…
それも楽しみの一つにいれないと。



「ね、補習終わってからうち来ない?息抜きしないと♪」
「うん」

行くのは良いが…これって遊ぶって事かな…?










今日もサボる事なく
神谷と会う事もなく学校が終わった。


補習も終わり今は沙恵の家。


私の家から十五分程だ。




「リンゴジュースでも良い?」
「うん、ありがとう」

友達の家に入るなんて本当に久々だ。




「ね、楓って好きな人とか居ないの?」

「きゅっ…
急にどうしたの!?」

「いや、居るのかな~って」

「…」

今…
神谷の顔が浮かんだ。


何で神谷が…



確かに会いたいとは思ってたけど…。





「沙恵は居るの?」

「私は彼氏居るんだ!」


彼氏か…。私には好きって感情がどう言うモノか分からない。

なんだろう…


神谷の事を考えると胸が苦しい…。





沙恵の彼氏の話を聞いてる間も神谷が頭から離れない。


笑った優しい顔が頭に広がって胸がキュンとなった。



今直ぐにでも会いたい。


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