2ndアルバム〜あの日の鼻歌〜
湿気を帯びた温度の低い空気が、学校の中に流れ込む。



「…は、ここではナリの連体形であるから…」






一辺倒な教師の解説を聞きながら、板書されたことをノートに写す。


隣のクラスメートは力尽きたようにシャーペンを握ったまま寝ている。




ふと、思考が勝手に切り替わって行く。







今やっている古文の事、

最近ずっと続く雨の天気の事、

原稿の事、

先輩達の事、



…廻先輩の、事。








『あなたを思うと、私だけじゃない。気持ちまでもが気恥ずかしくなって、言葉になることを嫌がるのです。』





さすがに少し夢を見すぎな感じのする走り書きを見られないように、ペン入れを引き寄せノートの端に被せるように置いた。
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