2ndアルバム〜あの日の鼻歌〜
「そっか」と言った柏原の言葉に被さるように、一瞬俺の視界が揺れる。



「なーに考えてたんだよ?カノジョの事?」



俺の背中に飛び乗って来たクラスのお調子者はいい加減な質問を放ってくる。



「蒼岸、お前んなことばっか言うから彼女できねぇんだぞ」

「あー原因それかーうわぁー」



ズルズルと俺の背中から落ちていく蒼岸。
実のところはこいつが作ろうとしないだけで女子人気はかなりあるはずだ。




「んで、何考えてたんだよ?野球ばっかやってて溜まってんの?」

「馬鹿。お前と一緒にすんな」

「えっちょっバッカお前俺はいつでも男のバイブルでバッチリだぜ!!」



…格好良い奴ってどんな馬鹿な事言ってても決まるから不思議だよな。



「廻、勾坂彼女いないって」


そういえばクラスメートの大半を苗字で呼ぶ柏原が彼女である九ノ月以外に名前を呼ぶのはこの蒼岸だけだ。

付き合いが長いのかもしれないな。







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