密と蜜~命と共に滴り堕ちる大人の恋~
 こんな私に意味深なオフィスラブなんて無縁だ。昨日読んだオフィスラブも本棚の奥へ奥へと力一杯押し込んできた。


 このままだとお酒の所為にして青山くんに言ってはいけない言葉を投げつけてしまいそう。

 青山くんは真面目すぎるほど真面目でいい人だから、一時的な感情で傷つけてはいけない。

 そう思った私は酷く酔ったふりをして社交辞令の輪から抜けた。

 夢もムードも存在しないアルコールに仕切られたこの空虚な世界が急に嫌になった……。



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