なにぬねのんびり屋

ギャーギャーと騒ぎ出す役員に唖然としてしまう。


みんな一様におれだ私だと言い合うのを見ていると、先生の人気度がわかる気がする。



先生は、みんなとよく話し、よく聞き、よく見てる。

だからあんなにわかるんだろうな。



「君たちね、うるさいから帰りなさい。…それか騒ぐくらいなら仕事を手伝ってください。」


「出た!会長のツンデレ!」


「素直に手伝えって言えば良いのに。」


「あたしは会長のツンデレ具合好きですけどね!あ、でもちょっとツンが多いからもう少しデレを増やしてもいいと思いますよ!」


「…やっぱり帰れ。」


「あー会長が拗ねたー。」


「ツンモード入っちゃったじゃねーかよー。」


「会長、そこでデレを発動ですよ!タイミングが大事ですからね!」



もうやだコイツら。
俺をなんだと思ってるんだ。



「あ、一つ言っておくけど、先生と一番よく話しているのは俺だから。勘違いしないでくださいね。」


さっきもらったあめを一つ口に転がす。
イチゴの香りが口に広がった。

天気雨はもう止んだようだ。



「…会長って、先生に対するデレ度ハンパないですよね。」


「…う、うるさい!仕事しなさい!」



END




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