遠距離恋愛



「ちょっとー、大学の校門でラブシーンおっ始めないでよ」

「ははっ!感動の再開を邪魔すんなよ~」


少し身体を離され、「今から大丈夫?」と聞かれたから、
樹に目を向けた。


「行ってらっしゃい。着替えたら例の店に集合よ。雅人も居るわ」

「おっけー。んじゃ、茉柚借りる。後でな!」

「はいはーい」


ひらひらと手を振った樹に「ごめんね」とジェスチャーをして、
翔の後ろを着いて行った。


「色々考えたんだけどさ、やっぱあそこかなって」

「?」


不思議に思ったけれど、
翔が微笑むから聞き返す事はしない。

着いた先は、思い出の公園。



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