炭酸アンチヒーロー番外編

シーイズマイン!

俺とまおが、付き合い始めてから。

はからずも、野球部の連中と彼女が知り合う機会が多くなった。

……そしてそのことは、俺にとって余計な心配の種が増える原因にもなっているわけで。



「──あ。わりーまお、ちょっとここで待ってて」

「うん?」



俺の言葉を聞いて、不思議そうに首をかしげるまお。

そんな彼女に、俺は自転車を指さしながら続ける。



「自転車の鍵、たぶん教室に忘れてきた。取ってくる」

「え、私も行くよ?」

「いやいいよ。すぐ戻ってくるから」



でかいエナメルバッグは自転車のわきに置いて、俺はひとり校舎に逆戻りする。

自転車置き場に残したまおのことを考え、なるべく早足で教室へと向かった。
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