偽善愛で夢を見て。




命が消えるのを感じた。


母親のお腹に入っていく気分だ。


出産、というか、侵入?





私を呼び止めようとする、声が聞こえる。
心臓を動かそうとしている。










やめて。やめて。

もう殺して。




いきる意味を失った。


家族が死んで、一人になった。

悠史を失って、幼なじみは私を捨てた。




私は、独りになった。






愛も何もかも、受ける必要がない。


冷たくなる体。
それでいい。






もう誰も、私を呼ばないで。





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