偽善愛で夢を見て。
その顔はちょっと赤い。
「告白の返事、貰ってねぇんだけど。」
急かすな、と碧から注意が。
だけど。
「は?」
「は、じゃねぇよ!
俺言ったろ。中2ん時。
お前が好きだって。
まさか、覚えてねぇのか?」
いつの話だ。
とっくに忘れた記憶。
何でだ、聞いてない。
え、妄想じゃん?て言ったら叩かれた。
舌噛むとこだった、危ない。
「あー、もう!」
髪をガシガシして、赤い顔を左腕で隠しながら紅は私に向き直った。
それから、口を開いて。