甘いお菓子をピンクのリボンで結ぶ
 このガキ、泣かせようか。
 そんなことを考えていると、結実香は開いてあった雑誌を閉じた。
 それから達磨の手を取り、どこかへ連れて行こうとするものの、どこにも行かないと足に力を入れているので、結実香はまた頬を膨らませる。

「達磨、行くの!」
「どこにさ?台所?もうご飯を食べたことを忘れちゃったのかな?」
「違うよ、テレビ番組が始まっちゃう!」

 ベッドからジャンプしようとしたときに布団が足に絡まり、頭から落ちそうになったので、達磨が慌てて結実香を抱き止めた。
 達磨がいなかったら、確実に結実香は痛みで泣いていただろう。

「ありがとう」
「気をつけようね」
「はい!」

 素直に返事をしたので、今日は見逃すことにした。
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