甘いお菓子をピンクのリボンで結ぶ
 結実香は達磨にピースをした。

「はいはい」
「二回もいらないの!」
「はい・・・・・・」

 達磨はだんだん結実香に頭が上がらなくなってきている。

「達磨、この前借りた本を返そうと持ってきたんだ。ありがとな」
「どうしてそれを早く出さないんだ?」
「結実香ちゃんに夢中になっていたら、すっかりそのことを忘れていてさ・・・・・・」

 琉生が結実香を抱きしめようとしたときに、達磨は結実香の手を引っ張り、自分のところまで引き寄せた。

「お前、本当に変わったな」
「結真ちゃんにも言われた」
「はは、だろうな」

 達磨は本当に変わった。結実香が家に来てから、表情がさらに豊かになった。
 結実香の存在は達磨にとって、大きな存在だった。
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