【完】君想い
俺は結花をまっすぐ見た。

結花は俺をまっすぐ見ている。



久しぶりにまっすぐ人の目を見た気がした。

そっか……、

俺、知らない間に逸らしてたんだな。





『知ってるよ、彗が愛美を好きだって。』



結花の瞳が揺れる。





『知っていても、

それでも好きなんだよ?』



結花の瞳は既に濡れていた。





『お願いっ、

こっち見てよぉ……。』



見てるよ、結花。



俺、今驚いている。



高校三年間思い続けてきた女がいたのに、

必死に俺に涙流しながら想いを伝えるお前を、

抱きしめてやりたいって……。



そう、

思ったんだ。
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