年下彼女は嫌いですか?
プロローグ

「はい、お疲れ様でした。」

「ありがとうございます!」


嬉々として椅子から降り、背中についた髪を落としてもらい、レジに立つ


そう、私がいるのは近所の床屋さん
今日は髪を切りにきた


「3000円です」

会計を済ませて店を出る

「「「ありがとうございましたー!」」」


カランカラン


「ふぅ・・・」



暦上は春、でもまだまだ寒さの残る5月の今日

髪が風で乱れるのも気にしないで、走って家に帰った







名前は水瀬ライ
高校三年生の受験生
部活は吹奏楽部
彼氏はなし

これと言って非凡なところはない、普通の高校生であり
世間一般の子たちと同じように、恋をしている

でもそれはきっと、叶わないんだろうけど・・・


「・・・アキラさん」


鏡に映る自分の髪を触りながら呟けば、さっきまでここに触れていた彼のぬくもりを思い出す


そう、私が恋した相手は、さっき髪を切ってもらった美容師さんだ

< 1 / 14 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop