年下彼女は嫌いですか?

「ふぅ……」

電車に乗り、席に着いたところでようやく息をついた
見渡してみると、電車内はいつもより人気がない


この時間に乗るのは久しぶりだな…


窓の外に流れる景色も、いつもは日が沈んでよく見えないが、太陽を浴びてキラキラしている


せっかくだし、ちょっと外で練習しようかな。


家の裏にある堤防は田舎であるためか人も少なく、広くて風が心地よいため、小さな頃からお気に入りの場所だった
近所の家とも少し離れたところにあるため、音が迷惑になることもないだろう



そう思い立って、駅からそのまま堤防に向かった
バッグを足下に置いてホルンを構える


深くブレスするたびに、いつもより綺麗な空気を感じて知らず笑みを浮かべる
今年のコンクールの自由曲は、中盤にホルンのソロがある。
ホルンパートの3年は私だけであるため、私が任されることになるだろう
中学から数えて6度目のコンクールとなるが、ソロを演奏するのは初めてであり、緊張も大きい

でも、ずっと憧れてきたことだ




この曲はオペラの有名な作品を何部かに分けて構成されていて、私の吹くソロは主人公である青年がヒロインへの届かない恋心をうたう、そんな場面だ
身分の違いから想いを伝えることも出来ず、一人月明かりの下で胸の内を語る

(かなしいうた…)


1フレーズを終えて楽器を下ろすと、背後から拍手が聞こえた


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