かけがえのない君のために
何度掛けても繋がらない携帯。もう限界だ。


家まで行ってみよう。そう思ったときだった。俺の目の前に影ができた。





「椎名くん?」




名前を呼ばれても知らない。


同じ大学でもバイトでもない。


むしろ初対面。それなのにその女は何も言わない俺に言葉を続けた。




「あたし、土谷和歌。未来に頼まれてきたの」




未来に頼まれた?まさか事故?




俺はその女の肩をガッと掴んで上下に振った。
< 61 / 154 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop