私たち。
「助けてやって、なんもしないとでも思ってんの?」
おめでたいやつ、とでも言いたいというように、瞬は笑った。
「え?」
まさか。
さっきされそうになったことの、続き?
思い出しただけで、身震いしそうだ。
「じゃーね。
楽しみにしとけよ」
「え、あ...と。
ありがとう、ございました?」
「なんで疑問文なの~?」
ドアを開けたから、もう乗ったと思ったのに。
「ありがとう」
「はーい」
最後にはてなマークを付けずに言ったら、満足そうな笑顔を残して瞬は車に乗り込んでいった。
それが、瞬と私の出逢いだった。
< 4 / 7 >

この作品をシェア

pagetop