不完全な完全犯罪・霊感探偵瑞穂誕生【完全版】
風呂から上がって事務所に行くと、原田学の告別式であった刑事が俺を待っていてくれた。
「コイツは俺の元同僚の桜井だ」
そう叔父さんから紹介された。
「あっ、どうも」
俺はそう言うのがやっとだった。
俺はまず、録音したテープをその桜井刑事に聴かせた。
『ところでさー。原っぱって此処出身だったっけ?』
『違うと思うよ』
『確か此方に母親が住んで居るとか居ないとか?』
『どっちなのよ』
『うーん、解らない』
『でも情けない無いね、あんなチョンボで死ぬなんて』
『チョンボ?』
『そうだよ、大チョンボ。バスから降りる時に何かが挟まって引き摺られたってことらしいよ』
『へー、知らなかった。私全く興味なかったからね。でも一体誰から聞いたの?』
『確か麻衣だった。そうよね麻衣?』
『えっ、何の話?
さっきから何の話してるの?』
『だからさー、原っぱがどんな死に様かってことよ』
『止めようよ、そんな話。お酒が不味くなる』
『あらいいの? 確か麻衣って原っぱの彼女じゃなかったっけ?』
『変なこと言わないで、彼が気を悪くするわ。もしかしたらあんた達ね。デタラメな噂流したのは?』
『デタラメねぇ』
『そう言えば麻衣? 仕事は大丈夫なの?』
『あっ、大丈夫よ。母が行ってくれてるから』
『やっぱり美容師は良いわよね。麻衣のとこ親子二代だから、試験も簡単だったんじゃないの』
『まあね、だって小さい時から叩き込まれていたからね』
「これは?」
刑事が言った。
「彼女達の会話を無断で録音しました。証拠にはなりませんが、参考になるかと思いまして」
この手の類いは裁判での証拠採用には程遠い。
それ位判っていた。
それでも聴いてもらいたかったのだ。
「思い出したのです。ボンドー原っぱが、あの日言った言葉を。彼は『気が付いたらこんな頭になっていた』と言っていました。その瞬間、美容師だったらスキンヘッドに出来ると思ったのです」
俺はやっと言いたいことを言った。
「容疑者はこの人だと言いたいのかな?」
刑事の言葉に俺は頷いた。
「名前は麻衣。美容師で、多分この地域で母親が開業しているはずです。彼はきっとロックグループのボーカル。彼がスキンヘッドにでもなったら、その時が危ない。二人のように死ぬかも知れない。だからそうなる前に助けてやってほしいんです」
俺はそう言ってため息をついた。
「コイツは俺の元同僚の桜井だ」
そう叔父さんから紹介された。
「あっ、どうも」
俺はそう言うのがやっとだった。
俺はまず、録音したテープをその桜井刑事に聴かせた。
『ところでさー。原っぱって此処出身だったっけ?』
『違うと思うよ』
『確か此方に母親が住んで居るとか居ないとか?』
『どっちなのよ』
『うーん、解らない』
『でも情けない無いね、あんなチョンボで死ぬなんて』
『チョンボ?』
『そうだよ、大チョンボ。バスから降りる時に何かが挟まって引き摺られたってことらしいよ』
『へー、知らなかった。私全く興味なかったからね。でも一体誰から聞いたの?』
『確か麻衣だった。そうよね麻衣?』
『えっ、何の話?
さっきから何の話してるの?』
『だからさー、原っぱがどんな死に様かってことよ』
『止めようよ、そんな話。お酒が不味くなる』
『あらいいの? 確か麻衣って原っぱの彼女じゃなかったっけ?』
『変なこと言わないで、彼が気を悪くするわ。もしかしたらあんた達ね。デタラメな噂流したのは?』
『デタラメねぇ』
『そう言えば麻衣? 仕事は大丈夫なの?』
『あっ、大丈夫よ。母が行ってくれてるから』
『やっぱり美容師は良いわよね。麻衣のとこ親子二代だから、試験も簡単だったんじゃないの』
『まあね、だって小さい時から叩き込まれていたからね』
「これは?」
刑事が言った。
「彼女達の会話を無断で録音しました。証拠にはなりませんが、参考になるかと思いまして」
この手の類いは裁判での証拠採用には程遠い。
それ位判っていた。
それでも聴いてもらいたかったのだ。
「思い出したのです。ボンドー原っぱが、あの日言った言葉を。彼は『気が付いたらこんな頭になっていた』と言っていました。その瞬間、美容師だったらスキンヘッドに出来ると思ったのです」
俺はやっと言いたいことを言った。
「容疑者はこの人だと言いたいのかな?」
刑事の言葉に俺は頷いた。
「名前は麻衣。美容師で、多分この地域で母親が開業しているはずです。彼はきっとロックグループのボーカル。彼がスキンヘッドにでもなったら、その時が危ない。二人のように死ぬかも知れない。だからそうなる前に助けてやってほしいんです」
俺はそう言ってため息をついた。