○○地獄

４，結末

ついに、期限の日です。

デンファレ女王は家来に言いました。
「私の意見は変わらぬ。道化の首をはねよ」

デンファレ女王は冷たく言い放ちました。
家来は完全に諦める答えました。
「デンファレ女王、かしこまりました」

家来がトボトボと歩き始めました。
デンファレ女王は、勝ち誇った様子で言いました。
「女王である、私は正しいのだ。おい、道化師を一度ここに連れてこい」

家来は、
「デンファレ女王、かしこまりました。しかし、何故ですか？」
と、不思議そうに聞きました。

デンファレ女王は、鋭い目で答えました。

「奴からの謝罪を聞いていない」


家来は、驚きました。
今から死に行く者から、謝罪の言葉を要求するなんて惨たらしいと感じたからです。
「デンファレ女王は、猶予をあたえる」と考えてた家来は悲しくなりました。

しかし、反対できる訳もなく「デンファレ女王、かしこまりました」と、答えただけでした。



家来は地下の牢に近づくに連れ、気分が悪くなりました。
「何と伝えれば良いのだろう」

他国であれば、死刑にならなかったであろう道化師に同情してしまいます。

道化師が入っている牢の、少し手前で立ち止まり溜め息をつきました。
「女王の命令だ。仕方あるまい」

家来は、歩きはじめました。

道化師の入っている牢の鍵をあけ、扉を開きました。
やつれた道化師は、脅えた目で家来を見ています。
家来は言いました。
「女王の命令により、死刑に処す」

その言葉を聞き、道化師は絶望してしまいます。
「やはり、神なんていない…」

小さく呟くと、下を向いたまま何も話さなくなりました。
家来は促します。
「女王に謝罪を述べよ。今から女王の前に連れていく」

道化師に反応はありません。
家来は、道化師の腕を持ち立つよう促しました。
道化師は、よろけながら立ち上がり「地獄だ…」と小さく呟きました。

家来は、情けをかける事は道化師に更なる悲しみを与えるだけだと思い冷静な態度を貫き通しました。

道化師は、力無く歩き始めました。