大人の恋愛~背徳の行方~
ただ、予想外だったのは、螢の仕事が結婚と同時に忙しくなり、
螢は、殆ど単身赴任状態で生活している事だった。

結婚当初、悪阻もあって、実家に帰っていたのもあるが、なかなか夫婦の
時間や、夫婦生活が少ないのが気になっていた・・・

付き合っていたころから、あまり真紀を求めることはなく、
どちらかというと、真紀の方が積極的に、螢を誘っていたが、

真紀が、妊娠が発覚してからは、1年以上、夫婦生活はなかった。

ちょっと前に、高校からの友人の麗(うらら)と、ランチをした時に
そんな話になった時、麗は、

「えっ・・・・そうなの!! それって、旦那さん、浮気しているか
 もしくは、ストレスで、勃起しないんじゃないの?」

「そうかな・・・・・なんか、絶対に幸せになれるって思ったんだけど
 ちょっと、違うのよね・・・
 あっ、でも、螢はすごく優しいのよ。
 怒ることもないし、怒鳴ることもないし、喧嘩もしたことがないの!
 理想の旦那さんなんだけど・・・・・もうちょっと愛されたいって
 言うか・・・・贅沢なのかな?」

「夫婦の事は、解らないけど、でも、愛されてる自身はあるんでしょ!?」

「えっ・・・・・・正直、解んない・・・」

「だって、愛してる・・・とかって言われないの?」

「うん、今まで、一度もない・・・・・」

麗は、真紀の話を聞いて、黙ってしまった。

真紀が、どうやって螢を手に入れたか、全てを知っているが故に・・・

結構強引に、結婚し、螢が最初結婚を渋ったことも知っているので
何とも言えなかった。

「真紀、不満があるんなら、螢さんと話し合いなさい・・・」

麗は、真紀にそう助言するしかなかった。
< 176 / 232 >

この作品をシェア

pagetop