大人の恋愛~背徳の行方~
蘭子の話は、蘭子の会社で取り扱っている、洋書の翻訳の仕事だった。

梨桜は、自分に出来るか、心配したが、螢に相談したら、やるだけ
やってみて、駄目なら、駄目だと言われるだろうから、やるだけやって
みることにし、その打ち合わせに、蘭子と久しぶりに会うことになった。

「久しぶり!! 元気そうだね!?」

「うん、蘭子も相変わらずみたいだね!?」

「まぁーね!それより、仕事、やってみる気になってくれて、
 ありがとう!! 
 で、梨桜、いつから、向こうに行くの?」

「うん、6月一杯で退職して、その後、すぐにでも行こうかと考えているの」

「結構、日がないわね! 結婚式は、どうするの?」

「うん、まだ考えてないけど・・・しなくてもいいかな!?」

「・・・・そっか・・・・あっ、それでね、翻訳もそうなんだけど
 この雑誌の、現地リポーターみたいなのも、してみない?」

「えっ・・・・リポーター?」

「うん、今、そこで流行っているものや、レストランとかを紹介する記事
 なんだけど・・・・毎月ではないし・・それと、向こうで人気の本も
 教えて欲しいの!!」

蘭子の話は、結構具体的な話だった。

とりあえず、螢にも言われたように、梨桜に負担のかからない程度の
物であれば、梨桜もチャレンジしたいと考えていた為、

翻訳の仕事は、すぐにでも始めて、日本にいる間に、少しでも慣れて
行くことになり、それからの梨桜は、日々、翻訳に追われることになる。

仕事でも、翻訳はしていたが、小説の翻訳となると、今までとは
勝手が違い、なかなかいい文章が出て来なかったりして、結構苦労したが、

元々、本が好きだった梨桜は、翻訳をやって行くうちに、
段々、思うように言葉が出てくるようになっていった。


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