orders!



出会いは3年ほど前。

この近くの会社の社員食堂で働いている私は、この店の前の道が毎日の通勤路だ。

お洒落な店、そう思いながら見ればガラス越しに目があった彼が、ひらひらと手を振ってくれた。



今思えば、奴は女がいたから手を振っただけ。

それでも毎日のその仕草と笑顔は私の心を掴むのには充分で、気付いた時には恋をしていた。



そのうちガラス越しでは耐え切れなくて、どうしても近付きたいと思うようになった。





『いらっしゃいま…あ、いつも朝歩いてる子!』

『…こんにちは、』





そんな気持ちから、勇気を出して店に踏み込んだ。


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