orders!
「…怒った?」
「怒ってる以外どう見えるのよ!」
この時間に近所迷惑も考えず怒鳴る私に、和馬は苦笑いをこぼして床に落ちた指輪を拾う。
「そんなにこの指輪大事に思ってくれてるんだ?嬉しいなぁ」
そして私を後ろからすっぽりと包むように抱き締め、するりと左手薬指に指輪をはめ直した。
「誰が悠のことどうでもいいなんて言ったのさ」
「…態度が言ってるじゃん」
「言ってません。俺はいつでも悠がだーいすきだし」
「……」
こんな時も相変わらず、耳元で甘く囁く声にまた弱い。