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それから数時間が経ち、迎えた夜23時すぎ。仕事を終えた洸ちゃんとふたり、深夜の帰り道を歩いていく。
何だかんだ言いながら、夜に行くと自分があがるまで居させてくれて、こうして一緒に帰ってくれるんだよね。
そういう所も、やっぱり優しい。
「ねぇ、洸ちゃん。さっきの人たちって……洸ちゃんのこと好きなの?」
「知るか。俺に聞くな」
「だよね……」
住宅地の中、隣を歩くその姿は私より10センチほど大きい。
「……それより、」
「ん?」
「お前、ああいう時は出てくるな」
「え……?」
ああいう時、って……さっきのこと?
その言葉の意味を問うように、首を傾げる。