orders!
外を歩きながらも、考えるのは彼女のこと。
連絡先くらい交換しておくべきだっただろうか。するだけしておいて何の進展もないとは…もどかしい。
はぁ、と今日何度目かもわからない溜息をつく俺に、空の下でひゅうっと風は吹く。
あの日のことは、まるで夢のよう。
だけど、しっかりと残る感触と消えない体温。
…はぁ、さっさと買い出し済ませるか。
ぐしゃぐしゃと髪をかいて、俺は渡されたメモを見る。するとその時、視界の端に入った姿。
「…待って、ちょっと待ってってば!」
近くのコンビニからバタバタと出てくる彼女。それは、間違いなく橋本さんだ。