orders!



外を歩きながらも、考えるのは彼女のこと。


連絡先くらい交換しておくべきだっただろうか。するだけしておいて何の進展もないとは…もどかしい。

はぁ、と今日何度目かもわからない溜息をつく俺に、空の下でひゅうっと風は吹く。



あの日のことは、まるで夢のよう。

だけど、しっかりと残る感触と消えない体温。



…はぁ、さっさと買い出し済ませるか。

ぐしゃぐしゃと髪をかいて、俺は渡されたメモを見る。するとその時、視界の端に入った姿。



「…待って、ちょっと待ってってば!」



近くのコンビニからバタバタと出てくる彼女。それは、間違いなく橋本さんだ。


< 85 / 160 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop