ストロベリーショートケーキ
「……もうね、たまらなくなっちゃったんだって。その言葉もそうだけど、何より、女の子のケーキを食べてるときの笑顔が、すごくかわいかったんだって」

「………」

「一目惚れって、やつですよ」



――恥ずかしい。はしゃぎながらケーキを食べていたところを花井くんに見られていたっていうのも、それと何より……店長さんの、最後の言葉が。

うつむいて隠してはいるけど、きっと今のあたしの顔、真っ赤になっちゃってると思う。

やさしい笑みを浮かべた店長さんは、なおも続ける。



「なんか赤い顔して厨房戻って来たと思ったら、そういうことでさ。でもどこの誰なのかもわかんないし、そうこうしてるうちにトーコちゃんは帰っちゃってたし。……けどこないだ、トーコちゃんが制服で来たのを見て。それでようやく、同じ学校の同級生だってわかったんだよね」

「そう、だったんですか……」



うちの学校の制服は、男子はネクタイ、女子はリボンの色で学年がわかるようになっている。

あたしがこのお店に来たのは、先週の水曜日。

そして花井くんに呼び出されたのが、金曜日。

……その間で花井くんは、あたしのことを探しだしてくれたんだ。
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