TABOO~それぞれの秘密~

彼の腕を掴むと、さっと振り払われ腰を引き寄せられた

「俺と結婚すれば会社は潰さない。どうする?」

二年前とは違う悪魔の笑顔に、私の心は震えた

「でも、私には恋人がいるから」

この男との別れから一年後にできた優しい彼

「お前の恋人が、会社を守ってくれるのか?」

肩を震わせ笑う男は、私を抱きしめ囁く

「拒むなら、お前の親父の会社との取引は全て中止だ」

満足そうな声

「それって、恋人を捨てろって事?」

「俺には、自分の妻を誰かと分け合う趣味はない」

「わ、わかった」

涙声で頷くと、まるで契約を交わすような熱い唇

貪るような彼のキスは、二年の空白を一気に埋めた
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