竜の唄

目論見通り本屋に入った途端に大人しくなったリオ。

二人は学術書のコーナーをさんざんうろうろして本を手に取っては読み込んだ。


が、学園の巨大な図書館に収められた物を超える珍しい魔導書はなく、結局二人とも新刊のミステリー小説を一冊ずつ買うに終わる。


お互い読み終わったら貸しあう約束をして、これはこれで満足しながらホクホクと学園へと帰った。




「いやー、実りあるデートだった」

「だからデートじゃないってば」



お馴染みのしょうもない掛け合いをしつつ、巨大な門から魔法学部の棟へと足を向ける。

青々とした芝生を踏みしめながら進み棟へとたどり着き、イヴの私室へ。

階段がなかなかに重労働なのだが、こればかりはしょうがない。




「ふう、最後に疲れたわ」

「でもこれなかったら、魔法学部の生徒って多分体力ゼロだぜ」



そのためであるとは言わないが、それは確かにそうである。


基本的に激しく動かない魔法学部の生徒には、いわゆる肥満体型の生徒も多かったりした。




「イヴ~、ただいま~」



ようやっと辿り着いた、今や見慣れたなかなかに豪華な扉。


それをリオがノックもせずに、言葉とともにいきなり開け放った。

何度も注意されているものの、育て親相手にはどうしても気が緩むようだ。



しかし金色のドアノブを握りしめた手は、そこから押し出されることなくピタリと停止した。


不思議に思ったロゼが後ろから覗き見ると、そこには知った顔。




「あら、おかえりなさい」

「おう、邪魔してるぞ」



そう言ってひらりと手を挙げたのは、鳶色の髪に草色の瞳の背の高い男性、リアス=ロメイドだった。


驚いた姉弟は、戸口に立ったままぽかんと口を開ける。


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