初恋はユーレイ君と!?





9時半。




あたしは適当に作ったチャーハンとコンソメスープを持ち、






リビングへ運んだ。





お父さんがキラキラ目を輝かせて、





「いっただっきまーす!」




チャーハンにありつく。





あたしはなかなかスプーンを持つ手を動かす気が起きなかった。





食べたくない。






「うまっ!お前上手くなったな~!

いつも空港の弁当だから飽き飽きしてたんだ」





「……ありがと」





お父さんはあたしをチラリと見て、スプーンを置いた。






「………結香、」





あたしはスプーンを持ったまま、お父さんに視線を向ける。





「…………何かあったのか?」





「………………何でもないの。」





「お前彼氏できたろ?」




「へっ?」




「俺が言うのもおかしいが、俺と付き合い始めた時の母さんと、同じ顔してるからな。」





━━━━━━━━━………………、





「………………彼氏ができる分には父さんは何も口出ししない。

━━━━━だけどな、結香、」





「………………………」






「お前を泣かせるような男なら、俺は許さない。」






「………………そういう人じゃないよ。」





「そうか。ならいいんだか。

泣いてた理由も、言いたくなったら言いなさい。

いつでも聞いてやる。」





「………………うん。ありがとう。」





あたしはやっと、チャーハンを口に入れた。






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