初恋はユーレイ君と!?




そのとき、





『たっだいま~』





玄関から、声が聞こえた。




あたしはとっさに立ち上がり、玄関に向かった。




「真斗!」




「は?」





そこにいたのは、いつもは夜中に帰ってくる父だった。






力が抜ける。





「………真斗って誰だ?てかお前、何で泣いてんだよ!?」




お父さんが、あたしの頬を触る。





「何でもない。………今日早いんだね」





「久々に早退できたんだ。」





お父さんは、航空会社で働いている。




国際担当だから、時差に合わせて仕事するため、夜中になることが多いのだ。





お母さんは、ホステスのママをやっている。





あまり、お母さんの仕事は好きじゃないが。






「腹減ったな~」





「……………何か作るよ。」






「ありがとうなぁ。…………後で2人で話をしよう。」





「………………うん。」






あたしは、バラエティー番組を見て真斗のようにバカ笑いしている父を置いて、





キッチンに立った。






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