初恋はユーレイ君と!?
デート当日。
集合時間の十分前に着いたが、すでに拓也くんが立っていた。
あたしは若干短めのスカートを気にしながら、小走りで拓也くんの所へ行った。
「ごめん!待った?」
「あ、あぁ、いや、俺も今さっき来たとこ。」
拓也くんは、ニコッと笑った。
よかった。こんな暑い中待たせたら申し訳ないもんね。
「じゃぁ………行こっか。」
拓也くんが、歩き出した。
あたしがついて行こうと足を動かしたとき、
あたしに向かって大きな何かが伸びてきた。
それが何かに気づき、あたしは拓也くんを見上げた。
拓也くんは、綺麗に微笑んだ。
彼の手が、あたしに伸びている。
こ、これは、
「…………………」
ギュッ…………。
あたしは拓也くんの手に、自分の手を絡めた。
大きな手が、包むように掴んでくる。
拓也くんはせっせと歩き出した。
あたしの方は一切見らず、
「…………ごめん、俺今日おかしいんだ」
言った。