初恋はユーレイ君と!?










………………違う!こういう時は、冷静にならなくちゃ…………。







まずは………まずは……………






えっと……………えと…………………









あっ!そう!まずは傷の手当てだ!









あたしは拓也くんをゆっくり床に寝かせて、







血に染まっている彼の制服を脱がせた。







震える手で、ボタンを外す。







彼の腹を満たした血を見た瞬間、






あたしは息を呑んだ━━━━━━。











綺麗な腹筋に、包丁の刺し傷が赤く染まって、





拓也くんの命を削り取っていた。













あたしは、近くに落ちてた服で、拓也くんの腹を押さえた。






何をしていいか分からなかったが、




とにかく出血を止めないと…………。








……………拓也くんの血の気のない寝顔が、






涙腺を刺激した………………。







涙が溢れる……………。











“やっぱり………俺じゃダメですか?”








“やっぱりすんげぇ……好きでさ?”






“結香ちゃん、兄貴が好きなんだろ?”






“お前ら自己チューにも程があんだろ!”






“ファーストキスは、俺にちょーだい?”

















…………「………お願い………生きて……」













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