後宮に売り飛ばされたら皇女を押しつけられました
ライナスがそう言うと、彼に肩を借りているパリィは申し訳なさそうに身体を縮めた。
「足手まといですまん」
「しょうがないですよ。ぼこぼこにされてるんだし……イヴェリン様たちと合流できたらいいんですけど」
ぐりぐりとパリィの傷口に塩を塗り込んでからアイラは短剣を抜いた。
「ライナス様。わたしが先に行きます――裏口から外へ出ましょう」
建物の中は大騒ぎだった。逃げ出すアイラたちに気を配る余裕もないらしい。ライナスにすっかり懐いている犬たちをまくのに少々時間はかかったが、構えた短剣を使うことなく、裏門から脱出することに成功した。
「アイラ、ライナス、無事だったか!」
近くに身を潜めていたイヴェリンとフェランが駆けつけてくる。イヴェリンはライナスの肩に担がれている男に目をやった。
「この者は?」
「パリィさんです。捕まってたので連れてきました――あと、敷地内には入らない方がいいです」
「動く死体が何体か。そいつはジェンセン・ヨークが対応してます。とりあえず宿に戻って待っているようにと」
ライナスが冷静な声で告げた。
「足手まといですまん」
「しょうがないですよ。ぼこぼこにされてるんだし……イヴェリン様たちと合流できたらいいんですけど」
ぐりぐりとパリィの傷口に塩を塗り込んでからアイラは短剣を抜いた。
「ライナス様。わたしが先に行きます――裏口から外へ出ましょう」
建物の中は大騒ぎだった。逃げ出すアイラたちに気を配る余裕もないらしい。ライナスにすっかり懐いている犬たちをまくのに少々時間はかかったが、構えた短剣を使うことなく、裏門から脱出することに成功した。
「アイラ、ライナス、無事だったか!」
近くに身を潜めていたイヴェリンとフェランが駆けつけてくる。イヴェリンはライナスの肩に担がれている男に目をやった。
「この者は?」
「パリィさんです。捕まってたので連れてきました――あと、敷地内には入らない方がいいです」
「動く死体が何体か。そいつはジェンセン・ヨークが対応してます。とりあえず宿に戻って待っているようにと」
ライナスが冷静な声で告げた。