愛しのケダモノ王子
「タモツ君ね、ユースケがあきらと友達の私と同級生だって知って、どうしてもって飲み会のセッティング頼んできたんだって。
その様子がもう必死すぎて、ユースケもびっくりしたみたいよ。
それくらい、あきらに会いたかったんだねタモツ君」
「……………」
「てゆーかタモツ君、飲み会の時もあきらしか目に入ってないって感じだったし…
他の子と喋ってても、チラチラあきらのことばっか見てるしさ…ってあれ、あきら、どうしたの?」
「……な、なんでもない」
嬉しくて…なんだか泣きそうになった。
もう、羽山にはかなわないな。
…今日会ったら、ちゃんと言おう。
あなたの眼を見て、あなたに促される前に私の言葉で好きだと伝えよう。
そしてその身体を抱きしめて、今度は私からキスをしよう。
イジワルだけど優しい、
愛しのケダモノ王子に。
-end-