愛しのケダモノ王子
「…で?その顔見ると、タモツ君とはうまくいったの?」
「ぶっっ!」
亜由子の突然の言葉に、飲んでたコーヒーを吹き出しそうになった。
「な、な、何言って……」
「あきらってわかりやすいよねぇ。
何思い出したの?(笑)」
私は羽山のハダカの残像を、振り払うように首を振った。
顔が熱く、赤くなってるんじゃないかと思わず手で隠す。
「やだ、あきらカワイイー♪」
「なっ、何言って…やめてよからかうの!」
「ふふっ、ごめんごめん。
あきらも恋する乙女なんだなーと思って」
「だから…」
「あのね、この前の飲み会に居たユースケと私も、実は同じ高校の同級生なのね」
「へ?そうだったの?」
亜由子の突然の話に、私はキョトンとした。
「うん。内緒にしててって言われてたんだけど、イイこと教えてあげる。
あのね……」
そっと内緒話をするように、亜由子が嬉しそうに言った。