青空の下へーその手に願いを込めてー
いつもと変わらない風景、そしていつもと同じ時間に診察が入ります。

でも、ひとつ、いつもと違うのは、

コンコン

「音羽ちゃん?入るよ~」

「あ、はい!どうぞ」

私の病室の扉が静かに開く。

目の前にあらわれたのは、

「体調はどうですか?しんどくない?」

柔らかい顔つきの明原先生が病室に入ってくる。

そう、私の担当の先生が、明原先生にかわってから初めての診察時間なんです。

「あ、大丈夫ですよ。いつもとかわりないです」

「うん、よかったよかった。じゃあ、さっそく診察を始める…前に……」

そこで、先生はイタズラっ子の笑顔になり、

「少し、おしゃべりでもしようか」
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