青空の下へーその手に願いを込めてー
今まで、こんなに私のことを「患者」としてではなく、「人」として見てくれたのは、東野先生と、明原先生だけです…。

いつも、お医者様はお医者様の役目を淡々とこなし、患者である私は、静かに患者の役をこなす、そんな日常が続いていた。

そんなとき、担当が東野先生になり、私は、退屈だったはずの毎日を楽しいと思えるようになったのです。
完璧に塞ぎ込んでいた私に笑いかけてくれた東野先生。
明原先生も東野先生と同じような、心が穏やかになる笑顔を向けてくれる。
昔の塞ぎ込んでいた自分とは、もう違う。

今度は、私が、笑顔に答える番だ。
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