青空の下へーその手に願いを込めてー
「あの子、音羽ちゃんが言ってた子じゃない?」

遠くのほうに、点滴をつれた女の子が見える。

その子は遠くからでも分かるくらい、どこか大人びているというか、物憂げな顔をしていた。

「確かに、他の子とは違う雰囲気あるね」

私の後ろから、ひょこっと顔を出して明原先生はそう言う。

他の子も、入院したてはどこかやはり寂しそうな顔をしているものですが、結構な日数が経つのに、私はあの子の笑顔を見たことがありません。

子どもは基本みんなと打ち解けるのが早いと思っていたのですが…。
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