青空の下へーその手に願いを込めてー
東野先生も小児科担当なのですね。

やっと抱きしめから解放された私は、おとなしくベッドに戻る。

「いやー、この前は助かったよ」

東野先生が診察を始めながら私に向かって言う。

「…?何かありましたっけ」

考えても思い浮かばなかったので、素直にそう答えた。

「ちよちゃんの事だよ。最近すっかり明るくなったよ」

「いえ、あの、私は何もしてなくて……」

うつむきかけた私に向かって、東野先生が話しかける。

「明原先生が言ってたよ」
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