本気で大好きでした。


「けど、お母さんが、あたしと理緒と麗那のことを考えてそれは避けたいって言ったの。
あたしは2人の存在を知ってたけど…理緒と麗那は知らなかったでしょ?
パニックになるんじゃないかって。
余計家に帰って来なくなるんじゃないかって、お母さん心配だったみたいで。」


……そうだったんだ

あのとき、ちゃんと家に帰っていれば…なんて思っても無駄なのはわかってる。

けど、時間が戻れば…なんてバカな考えが働いちゃう。


「ごめんなさい、ごめんなさいっ…」

「理緒が謝ることじゃないよ。ごめんなぁ、理緒」


そう言ってお父さんは。あたしの頭を撫でた。

やさしく。彼方のように温かい手で。


「あたしはまたお父さんと暮らしたい。もちろん那緒も」

「彼氏連れてきても怒んないならいいけど…」


れな…

こんなときまで冗談っぽく笑って

いつまでもれなはれなだ。


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