本気で大好きでした。
「れな… 彼氏いるのか?」
「当たり前じゃん。いくつだと思ってんの?」
「15だろ…」
「お父さんだって15のとき彼女いたでしょ」
「いや… 彼女は作らない主義だったから…」
「お父さんみたいなタイプ、1番イヤ!」
こんな感じのくだらない。お父さんとれなのやり取りにもみんなで笑った。
「じゃあ、俺は先に葬儀屋さん行ってるから那緒の車でくるんだぞ」
「はーいって… 那緒、免許あったの?」
「そりゃあね、19歳だもん」
「じゃあなんで病院帰り歩きだったの?」
「千聖に送ってもらったからねぇ」
「あっ、そう」
那緒、車持ってたんだ…
この際だし、ずっと気になってた“あれ”聞いちゃおう
「ねぇ那緒」
「つぎはなに?」
「職業なに?」
「短大生だよ!言ってなかった?」
「聞いてません」
学生だったんだ…
卒業したらなにになるんだろう
卒業したらこの家出て行くのかな?
まだ引っ越してきてないけどね
お父さんがいなくなった、家。
れなも自分の部屋に戻っていて、那緒と2人になった。
お互い何も喋らずに、リビングのソファーに座ってテレビをみたりケータイをいじったり…。
「そうだ。あたしの部屋ってあるの?」
「たぶんお母さんが使ってた部屋だと思うよ」
お父さんの部屋だけ異様に広いし、ベッド2つあるし。
たしかお母さんの仕事部屋として空き部屋を使ってたし。
それが那緒の部屋の可能性しかないからね。
「案内してよ」
「えー… あたしの部屋の隣だからひとりで行ってよ」
「だってまだあたしの家じゃないんだから、案内してよ」
そう言われ、仕方なく案内した。
さっきはひとりであたしの部屋来たくせに。
階段を登って、廊下を歩く。
れなの部屋、あたしの部屋と過ぎ、一番奥の部屋がお母さんが使っていた部屋。