本気で大好きでした。

「れな… 彼氏いるのか?」

「当たり前じゃん。いくつだと思ってんの?」

「15だろ…」

「お父さんだって15のとき彼女いたでしょ」

「いや… 彼女は作らない主義だったから…」

「お父さんみたいなタイプ、1番イヤ!」


こんな感じのくだらない。お父さんとれなのやり取りにもみんなで笑った。


「じゃあ、俺は先に葬儀屋さん行ってるから那緒の車でくるんだぞ」

「はーいって… 那緒、免許あったの?」

「そりゃあね、19歳だもん」

「じゃあなんで病院帰り歩きだったの?」

「千聖に送ってもらったからねぇ」

「あっ、そう」


那緒、車持ってたんだ…

この際だし、ずっと気になってた“あれ”聞いちゃおう


「ねぇ那緒」

「つぎはなに?」

「職業なに?」

「短大生だよ!言ってなかった?」

「聞いてません」


学生だったんだ…

卒業したらなにになるんだろう

卒業したらこの家出て行くのかな?

まだ引っ越してきてないけどね


お父さんがいなくなった、家。


れなも自分の部屋に戻っていて、那緒と2人になった。

お互い何も喋らずに、リビングのソファーに座ってテレビをみたりケータイをいじったり…。


「そうだ。あたしの部屋ってあるの?」

「たぶんお母さんが使ってた部屋だと思うよ」


お父さんの部屋だけ異様に広いし、ベッド2つあるし。

たしかお母さんの仕事部屋として空き部屋を使ってたし。

それが那緒の部屋の可能性しかないからね。


「案内してよ」

「えー… あたしの部屋の隣だからひとりで行ってよ」

「だってまだあたしの家じゃないんだから、案内してよ」


そう言われ、仕方なく案内した。

さっきはひとりであたしの部屋来たくせに。


階段を登って、廊下を歩く。

れなの部屋、あたしの部屋と過ぎ、一番奥の部屋がお母さんが使っていた部屋。



< 111 / 130 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop