本気で大好きでした。

* * *


30分後に彼方と千聖さんがリビングに来て、千聖さんと那緒で出かけていき、結局2人きり。


「大丈夫?」

「なにが?」

「お母さんのこと話してたんじゃないの?」

「まあね」


これ以上聞かないで、という顔。

あたし、デリカシーなさすぎだ。

傷えぐっちゃったかも…

悲しい顔をしながら、リビングにあったあたしたちがまだ小さいときの家族写真を遠目から眺めていた。

きっとこうゆう“幸せ”がほしかったんだよね。

力いっぱい彼方を抱きしめた。

あたしよりも遥かに強い。

あたしよりも傷ついてる。

いつか彼方が壊れてしまいそうで、いなくなってしまいそうで

ちゃんとここにいる、っていう証がほしくて

力強く抱きしめた。

苦しかったかもしれない。ごめんね。

不安なときはそばにいる。


だから、この嫌な予感が的中しませんように。


「おれは大丈夫だから。」


そのあとに小さい声で「ごめんね」って呟いた。


ごめんねってなに?

だけど、あたしは弱いから聞けなかった。

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