本気で大好きでした。
「あーーっ!!いたっ!理緒っっ!」
校舎前にいるあたしのところに、全力で走ってくる親友。
山野美桜(やまのみお)
中学のときからずっと一緒にいるあたしの親友。
「先に行っててって…… やっぱ寝坊っ?」
「えへへ」
髪の毛を手グシで直しながら、かわいく答える。
女のあたしから見ても、惚れ惚れしてしまう。
いつも伸びた髪を巻いていて、中学を卒業してその髪を茶色く染めた。
黒髪もなかなかだったけど、茶髪のほうが一段とかわいい。
「ほら、クラス発表見よ?」
1組から、順番に紙を見ていく。
《山野美桜》の名前も……
あたし、《横田理緒》の名前も。
………あるんですけど。
「また、同じクラスだね」
「ちょっとは喜んでよ!!悲しーわ!!」
あたしだって、新生活少しは心細い。
美桜がいれば、怖いもんなんてない。
嬉しいよ、本当は。
美桜には……
ずっと迷惑掛けっぱなし。
それなのに美桜は
あたしに頼ろうとしないで1人で抱えこむ。
あたしって信用されてない?頼りない?
美桜…あたしを頼ってよ。