本気で大好きでした。
3 . 家族


「じゃー、適当に遊んでから帰ろ~♪」

「なにしよっか」


美桜は、たった一人のお兄ちゃんと暮らしてる。

美桜の両親は、亡くなったの。

美桜は、幸せ者だと あたしは思う。

美桜の両親は、美桜と美桜のお兄ちゃんを庇ったんだから。


あたしにはきっと、いや絶対、庇ってくれる人なんていないから。



今日はずっとレオと妹がいるんだろうな。



あんな場所、あたしの帰る場所じゃない。


お母さんだって……

あの家を捨てて、どっか違う場所に住んでるんだ。


それよりも前に、お父さんはお母さんとあたしと妹を捨てた。

それから、あたしたち家族は壊れていったんだ。


あれは中2の冬だったかな

お母さんが仕事に打ち付ける毎日になって、あたしたちとの会話が全くなくなって

全く話す時間がなくなった。


そんな家が嫌になったあたしは、タバコに手を出し、特に仲も良くない人たちと絡み初めて、毎晩溜まり場に出掛けてはタバコを吸い、お酒を飲んだ。

けれど、お母さんはそんなあたしを知りもしないんだろう。


そして、あたしが落ち着いた頃に次は妹。

妹はもっと酷くて、警察のお世話になったことも。

それでもお母さんは妹を叱りもせずに、ただ迎えに行って戻ってきては仕事をしていた。


そのときからあたしと妹は捨てられていたようなものだった。

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