本気で大好きでした。

お母さんだけは、大好きだったのに。

仲の良かった妹も会話すらなくなり

中3の頃には、同じ家に住む他人のようなものになっていた。


「理緒? ケータイなってるけど?」


あ、ホントだ。
気づけば、辺りは真っ暗で。

あたしと美桜以外、誰もいない道に、あたしの着メロが流れている


画面をみると、【おかーさん】


とっくに番号なんか消されてると思ってた。

今更なんの用だよ…なんて思っている自分もいたり、

少し嬉しくなったりしている自分もいた。

通話ボタンを押す。

期待と不安が混ざって、なんだかヘンな気持ち。


「横田さんですかっ? 中央病院の者ですが……」


病院?
画面は何度見ても 【おかーさん】。

なんで?


「お母様の様態が──────……」


「至急」と言われ、通話が終了した。






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