本気で大好きでした。


「あたし弱いし泣き虫だよ」

「知ってるよ。なのに強がりなのも」

「あたし……めっちゃさみしがり屋だよ」

「いつでも電話してきていいよ」

「うぅっ…」

「泣き虫」


そう言いながらも

頭をやさしく撫でてくれた



「家どっち?」


病院を出て、いつの間にか大通りに。

ここまでは覚えてるんだけどなあ…


「ごめん… あたし今日那緒の家行かなきゃいけないんだけど…… 道忘れちゃった」



昨日は、那緒に着いていっただけだし…

今日の朝は、なんとなく行ったら大通り出れて、病院に行けたし…



「つぎは方向音痴か…?」


なんて笑っている。

甘えてばっかりでごめんね、彼方。


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