君を守る陰になりたい【Ansyalシリーズ 憲編】

16.復活LIVE -晃穂-


前回、私が怜さんに会ったのは紀天のメジャー一周年の記念LIVE。

隆雪さんの事故で、その日は凄くバタバタしたけど、
その後は再び怜さんの姿を見ることないまま、三年が過ぎた。


その三年間の間に、紀天も私も大学を卒業して
アイツは尊夜の補佐とAnsyal。


私は……派遣のバイトと、Ansyalのシークレットスタッフとして
いつもアイツと共に時間を重ねてきた。


年が明けた新春、TVのCMで大々的に流れるようになった
SHADE 9月15日 日本武道館 1日限定復活の文字。



CMと同時にファンクラブ優先でチケット発売が始まるものの惨敗。
続くモバイル優先も惨敗。


9月チケットが取れないまま、季節は春、夏と移っていく。
最後のチャンスだった、一般発売初日も繋がった時には【sold out】の文字。
携帯を握りしめたまま、唖然とした。


チケットが取れないまま、明日がSHADEの日本武道館公演。
会場だけでもいって、SHADEを沢山感じたい。

そんな風に思いながら、懐かしいCDをBGMに流していた。

ふと自宅にチャイムの音が響いてアイツの声が聞こえた。


「晃穂、俺、紀天だけど」

「うん。すぐに開けるから」


ドアを開けた途端に、アイツは手に持ってた封筒を私に手渡した。

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