~宿命~
翌日、渡された地図を頼りに道場へ向かった。
明隆:「ここや…。」
道場はいたって普通。中も変わった所がなく、畳が敷き詰められ更衣室らしきドアが二つにトイレが男女それぞれ一つづつあるだけ。

中に入ると、8人の男と4人の女が準備運動しており、後ろから新石が入ってきた。
新石:「おはよう。昨日はよく眠れたかい?」
明隆:「もちろん!爆睡してた。」
新石:「ハハハッ!そうかそうか。頼もしいなぁ。それじゃ、君も準備運動しときなよ。10分後には始めるからね。」
俺の肩に手を当て、隅に立っている道着姿の男の所へ向かっていった。

準備運動を終え、のんびり外を眺めてると、一目で双子と分かる二人が話しかけてきた。
双子・兄:「よぉ。調子はどうだ?チビスケ。」
双子・弟:「兄貴、あんまりイジメるなよ。まだ、ガキじゃねぇか。」
明隆:「なんや?お前等。挑発的やな…ナメんな!ボケ!」
俺の一言に双子は短気を起こし、胸元を二人で掴んで壁へ叩き付けてきた。
双子・兄:「ナメとんはそっちやろ!」
双子・弟:「誰に口利いとんじゃ!」
今にも“試合”が始まろうとしていた。
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